「されど罪人は竜と踊る Dances with the Dragons」は著者浅井ラボ氏が描くライトノベル。
”咒式”(じゅしき)と呼ばれる科学と魔法が融合した独特な技術がある世界で、”咒式”を扱う”咒式士”(じゅしきし)達の奮闘を描くファンタジー。
”日本で最初の暗黒ライトノベル”とも評されるほどの残酷な描写や陰鬱な展開が評判を呼び、現在「暗黒ライトノベルの始祖にして最終作」としてガガガ文庫から出版されています。
ガガガ文庫10周年ということで、この度ついにアニメ化!2018年4月 TBS・BS-TBS にて放送予定です!
”アニメ化は不可能とされた~”というのはもはや定番の売り文句になっていますが、毎回四肢がもげたり内臓が溶けたりするどころか、もっと酷いことにもなる「され竜」においては本当に大丈夫なのかとちょっと心配も。
アシュレイ・ブフ & ソレル咒式事務所
[displaynone][gallery size="large" columns="2" link="file" ids="285,283"][/displaynone]われらが主役の二人、「ギギナ・ジャーディ・ドルク・メレイオス・アシュレイ・ブフ」と「ガユス・レヴィナ・ソレル」。
咒式士のなかでも戦闘に特化した能力を持つ”攻性咒式士”であるギギナとガユスは、二人だけの小さな咒式事務所を経営し、舞い込む厄介な依頼をこなす日々。
傍若無人で傲岸不遜。
美貌の”剣舞士”ギギナと、塾講師をしながら事務所を支える理系メガネの”化学練成系咒式士”ガユスの軽妙かつ怒涛の罵り合いは必見です。
アニメで声優を担当するのは、ガユス役に「島崎信長」さん、ギギナ役には「細谷佳正」さん。
二人のやり取りがどう再現されるのか非常に楽しみです!
脳が焼き切れる!”咒式”バトルが熱い!
なんといっても見どころは怒涛の咒式バトル!
ガユス達”攻性咒式士”の仕事は、護衛や討伐などの命を懸けた依頼ばかり。
殺伐としたその世界では、他社の”攻性咒式士”に犯罪者、変質者や狂人など、イカレた敵が休む間もなく襲い掛かってきます。
さらには、魔物のような存在”異貌のものども”や、超越的な存在である”竜”、悪魔や神のような”禍つ式”など、想像を絶するような未知の存在も出現。
怒涛に展開される咒式の描写と、激しく凄惨なバトルは必見です。
化学的な描写で発現される咒式の数々や、人知を超えた途方もない存在の”竜”など、どのようにアニメの中でどのように表現されるのか気になるところです。
咒式士の集う大都市エリダナと、強烈な登場人物の数々
[displaynone][caption id="attachment_280" align="alignnone" width="700"] (ガガガ文庫公式サイトより)[/caption][/displaynone]ガユス達が暮らす都市エリダナの設定も複雑かつ緻密に作られていて物語を重厚に見せています。
複雑に絡み合った国家に大企業、大都市が抱える様々な問題や裏の側面などハードボイルドな雰囲気を漂わせています。
ガユスとギギナを取り巻く一癖も二癖もある強烈な登場人物の数々も見所。
ともに仕事をすることもある”ラルゴンキン咒式事務所”の面々。ひょんなことからガユス達が関わることになる国家の重要人物たちと、それを警護する超越的な集団”モルディーン十二翼将”。
クセの強い多くの登場人物たちも見どころです。
スニーカー文庫から、ガガガ文庫に移籍してはや10年。
作りこまれた世界観と、独特で軽妙な筆致で描かれる文章はライトノベルのなかでもかなりハイレベル。
先日20巻が発売になり、ミトガワワタル氏が描くコミカライズ版「されど罪人は竜と踊る 輪舞」1巻も発売。
ラノベ好きも、ラノベ以外の小説好きにもお勧めできる作品なので、気になった方はチェックしてみては。
©浅井ラボ・小学館/「され竜」製作委員会